絵：法改正されたけど何が違うの？
9月も残り2日となり、年末調整の時期がいよいよ近づいてきましたね。
ご主人様や奥様のいずれかの方の扶養になられている方にとっては、これから年末調整に向けて年収の調整を行う方が多くいらっしゃることでしょう。
さて、今年の2018年1月より、世帯にかかる税金「配偶者控除」と「配偶者特別控除」の条件が改正されたことはご存知でしょう。
今回は、「配偶者控除」と「配偶者特別控除」の変更点について、お話していきたいと思います。
１．2017年までの「年収103万円の壁」とは？
2017年までの「年収103万円の壁」というのは、ご主人様や奥様いずれかの方の扶養の方がアルバイトやパートで得た収入が年103万円以内（税込み・額面での支給額）であれば、扶養者の方も扶養されている方も税金が優遇されるというもの。
つまり、扶養者は配偶者控除として「38万円」の所得控除を受けることができ、所得税が軽減されます！また、扶養されている方は所得税を支払わなくてもよいのです！
２．2018年からの「年収150万円の壁」とは？
「150万まで年間稼いでもいいんやん、ラッキー！もっと働こう！」と思った方。確かに「103万円」から「150万円」に数字が上がっているのでそう考えるのも無理はありません。
が、そこには落とし穴（変更点）があるのでご注意ください。ここからその「落とし穴（変更点）」をご紹介します。
絵：落とし穴にびっくり
（１）ご主人様（もしくは奥様）が38万円の所得控除を受けられる、配偶者の年収が「103万円」から「150万円」に拡大
この改正は、「配偶者特別控除」に対してのものです。
元々、女性の社会進出促進のために枠を拡大しました。ちなみに「配偶者控除」の年収要件（103万円）に変わりはありませんのでご注意を。
つまり、配偶者の年収が「103万円」を超えてしまうと、「配偶者特別控除」を受けることになるのです。
さらに、「配偶者控除」において所得控除を受けられる方（納税者ですね）の年収によって、控除される金額が変わりました。
・合計所得額900万円以下の場合：38万円控除
・合計所得額900万円超950万円以下の場合：26万円控除
・合計所得金額950万円超1000万円以下の場合：13万円控除
尚、1000万円を超えると控除されません。
（国税庁HPより抜粋）
（２）扶養条件に変更なし
元々配偶者の扶養条件の「年収106万円まで※１」は変更されませんので、配偶者特別控除が「150万円」まで拡大されたとしても、106万円を超えた時点で扶養することが出来なくなります。
つまり、ご自身で「所得税」「国民年金」「国民健康保険」「住民税（自治体によって違いますが、概ね年収90万～100万円の間で課税されます）」を支払わう必要が出てきます。
※１以下の条件にすべて当てはまると勤務先の社会保険加入義務が発生します。
・1週間当たりの決まった労働時間が20時間以上
・1か月あたりの決まった賃金が88,000円以上
・雇用期間が1年以上の見込みであること
・学生でない事
・従業員数が501名以上ないしは、500名以下で労使合意されている企業
（３）学生の扶養条件も変更なし
これも同じくアルバイトやパートで「103万円」を超えると扶養出来なくなるのは変わりありません。
３．どう節税するかきちんと計算しましょう
日本の平均年収が400万円と仮定して、配偶者が103万円までの年収だとすると基本的には、昨年以前と変わりません。
だいたい、住民税が課税される程度なので、おおよそ100万円程度手元に残るはずです。
ですが、これまで書いた記事を読んでもらえれば、きちんと計算しないと、せっかく一生懸命働いてお金を稼いだつもりでも税金でとられてしまうケースも出てくることが想像できますよね。
働いた時間を違うことにも使えたりしますので、この機会にぜひ見直してみてください。
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