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土地の有効活用について

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土地活用を目的別に分類してみよう

土地は、ただ持っているだけでは固定資産税のかかるマイナスの資産となります。そのため、相続して使っていない土地などは土地活用を行って収益を得られる状態にしたいところです。土地活用にはさまざまな方法がありますが、大きく分けると以下4つに分類することができます。
・売る
・貸す
・自己活用
・共同活用
賃貸マンションや賃貸アパートは収益を大きくできる可能性がある一方、リスクが高く、手間もかかります。しかし、駐車場経営程度であれば収益は小さいものの、リスクを抑えることができます。収益を大きくしたいのであれば賃貸マンションや賃貸アパートのような土地活用を。固定資産税分のマイナスを取り返して少し収益がある程度であれば良いのであれば駐車場経営のようなリスクの小さな土地活用をするなど、要望に応じて選ぶのが効果的です。

ただし、土地によって向き不向きがあります。土地活用に始めるにあたり、「このくらいの収益が欲しい」というよりは、「この土地活用がこの土地には向いている」と考えた方が良いでしょう。

ここからは代表的な15種類の土地活用法について、収益モデルや費用も含めてご紹介します。

売る

1・売却

土地を売却すれば、売却資金としてまとまったお金を得ることができ、売却後は固定資産税を支払う必要もありません。しかし、土地を活用してその後継続的な収入を得ることはできません。

売却時には仲介手数料や登記費用などの諸経費がかかるほか、売却して得られた利益に対しては譲渡所得税がかかります。譲渡所得税は、所有期間が5年超の長期譲渡所得で20.315%、所有期間が5年以下の短期譲渡所得で39.63%と高い税率となっているため、事前にしっかり計算した上で売却計画を進めることが大切です。

2・借地(土地を貸す)

土地を貸して地代を得る方法として考えられるのは、住宅街であれば家庭菜園や畑、資材置き場としての利用です。立地が良ければ、土地を貸して、借主がその上に建物を建てることも考えられますが、その場合、借地期間は30年以上と定められているため注意が必要です。

自己活用

貸マンションや賃貸アパートを建てて賃貸収入を得たり、太陽光発電システムを設置して、売電収入を得たりする方法もあります。

3・アパート・マンション

賃貸アパートや賃貸マンションを建てて、入居者を集めれば、家賃収入を得ることができます。年間の経費としては、固定資産税や共用部分の電気代、メンテナンス費用などがあります。

また、1年間で得た収入から経費を差し引いた所得は不動産所得として税金を納めなければなりません。しかし、不動産所得は減価償却費や青色申告特別控除など、実際に手元から支払わない項目を経費として計上できます。結果としてマイナスとなった場合には給与所得など他の所得のプラスと損益通算できることから、サラリーマンにも人気があります。

賃貸アパートや賃貸マンションを建てる土地活用は、立地が非常に重要です。お金をかけて建物を建てても、入居者が集まらず家賃収入が得られなければ大きな赤字を負ってしまいます。逆に、満室に近い経営を続けることができれば、建物を建てるのにかかったお金を数年で回収できて、将来的には安定した不労収入とすることもできます。

4・戸建賃貸

戸建賃貸を建てることによる土地活用は、基本的には賃貸アパート・賃貸マンションを建てるのと同じ考え方です。小さな土地からでも始めることができますが、1家族しか貸せないため空室期間をいかに短くできるかが重要です。場合によっては、将来、自分が住む家とすることもできるでしょう。

5・駐車場

駐車場経営は、比較的安価な費用で始められて、管理にもそこまで手間がかかりません。しかし、大きな収益は見込めないローリスク・ローリターンな土地活用法です。駐車場経営として得られた収益は不動産所得として、賃貸マンション・賃貸アパートと同じように計算されます。

駐車場経営には、月極駐車場による方法と、コインパーキング形式による方法があります。

月極駐車場

月極駐車場は、機械の導入が要らないため初期費用を安くできるのに加え、将来他の業態に転換する時も簡単に転換できます。

コインパーキング形式

コインパーキング形式による方法には、専門業者に土地を一括借上げして機械を導入することにより地代を受け取る方法と、専門業者から機械を購入して管理を依頼する方法があります。

月極駐車場は初期費用を出す必要がありませんが、収益は少なくなります。一方、コインパーキング形式では機械を購入するリスクを負う必要がありますが、収益を高くすることができます。一般的には月極駐車場による方法よりコインパーキング形式の方が高い収益を得られるとされています。

駐車場経営による土地活用が向く土地としては、住宅街の中にあって、周辺に住まれる方の駐車場としての利用を狙える場所や、商業施設やオフィス、駅の近くにあって、そうした施設利用のための駐車場としての利用が見込める場所などが考えられます。

6・トランクルーム

トランクルームによる土地活用法は、土地内にトランクルームを設置して、契約者の荷物を入れるというもので、収益モデルに関しては駐車場経営による土地活用法と近いです。トランクルームにも、専門業者に土地を一括借上げしてもらう方法と、自分でトランクルームを購入して設置し管理を業者に依頼する方法があります。

前者であればトランクルームを購入するリスクを回避することができるものの収益は小さく、一方、後者であればリスクはありますが、収益を高くすることができます。トランクルーム経営は、比較的場所を選ばず始めることができますが、特にオフィスなど商業施設や住宅街、港の近くなどでの利用が見込めるでしょう。

7・太陽光発電

土地に太陽光発電システムを設置して、売電収入を得る方法です。太陽光発電システムは、事業用であれば20年間売電価格が固定されるため、20年先まで安定した収入を見込むことができます。

一方、太陽光発電システムの経年劣化による発電効率の低下や、何かがぶつかったことによる破損などがリスクとして考えられます。太陽光発電システムによる土地活用は、できるだけ周りに高い建物の建つ心配のない郊外の大きな土地での運用がおすすめです。

8・ロードサイド

ロードサイドとは幹線道路沿いの土地や人通りの多い道路に面した土地のことですが、交通量の多さやアクセスの良さを活かして、商業系の店舗を建てることで土地活用できます。

ロードサイドの土地活用は、リースバック方式と事業用定期借地方式があります。

リースバック方式 店舗の建物を地主が建てて店舗事業者が一括借上げする方式
事業用定期借地方式 店舗事業者へ土地を定期借地する方式

コンビニエンスストアなど、比較的小さな商業施設を除いては事業用定期借地方式での運用が一般的です。ロードサイドの土地活用は、そもそも幹線道路沿いに土地を持っていることが前提となりますが、高い収益を得ることができます。

9・コインランドリー

土地の上にコインランドリー用の建物を建てて設備を導入し、コインランドリーの利用者からの支払いで収入を得る土地活用法です。比較的狭い土地でも導入しやすく、現地に管理者が常駐している必要がなく、比較的手軽に運営できますが、設備の導入に費用がかかります。

また、単にコインランドリーを設置するだけでは利用者は増えず、周辺環境のリサーチと、周辺の価格相場を見ながらの価格調整など、運用を始めてからの経営努力が必要となります。一般的には住宅街の近くが効果的で、利用者が車で洗濯物を運ぶことを考えると駐車場も数台確保できた方が良いでしょう。

10・老人ホーム

土地の上に老人ホームを建てて、賃料を得るという方法もあります。少子高齢化の進む日本において、市場の拡大が期待される分野での土地活用法です。

老人ホームの施設運営業者が希望する施設を地主が建設し、一括借上げしてもらって運営するのが一般的です。建物の賃貸借契約は20年以上の契約が義務のため、長期間にわたって安定した収入を受けられ、さらに一括借上げのため空室に悩まされることもありません。

ある程度の土地の広さは必要になりますが、郊外の土地でも需要のある土地活用法です。

11・サ高住(サービス付き高齢者住宅)

サ高住は高齢者の安否確認や生活相談などのサービスが受けられる高齢者向けの賃貸住宅です。基本的には老人ホームと同様の運営になりますが、一定の要件を満たせば補助金を受けられたり、税制優遇を受けたりすることができます。

12・賃貸併用住宅

賃貸併用住宅は、土地上に建てた建物の中に住むのに使う部分と、賃貸するのに使う部分があるものです。賃貸部分や、戸建賃貸などと同じように考えることができます。また、居住部分が51%以上であれば、アパートローンより金利の低い住宅ローンでの利用の考えることができるのでお得です。

賃貸部分は、最初は賃貸に出しておき、将来的に二世帯住宅として使うような利用方法も考えられます。

13・シェアハウス

シェアハウスは1つの建物の中に複数の居室とリビング、キッチン、浴室、トイレなどの共用施設を備えた賃貸住宅です。

基本的には賃貸マンションや賃貸アパートと同じ運用ですが、各居室に浴室やトイレ、キッチンを付ける必要がない分、建築費を抑えることができるのが特徴です。

共同活用

共同活用による土地活用には、土地信託と等価交換があります。

14・土地信託

土地信託は信託会社などと信託契約を結んで土地を提供し、信託受益権を得る方法が一般的です。信託受益権は、土地の運用で得た利益から配当を受ける利益のことです。

土地活用のプロに土地の運用を任せる方法で、土地の上に建てた建物は信託契約終了後にはそのまま受け取ることができます。なお、土地の運用で充分な利益が出なければ配当が出ないこともあります。

15・等価交換

等価交換は、土地を提供してその土地の上に建物を建て、地主は完成した建物や元の土地の内、提供した土地に見合った分を取得します。例えば、1億円の土地の上に3億円の建物を不動産会社が建てた場合、地主の割合は4分の1のため、土地の内2500万円分、建物の内7500万円分の持分を持ちます。

リスクを負うことなく、収益物件の権利を取得することができますが、収益は自分が建てた時より少なくなります。土地信託や等価交換による土地活用は、基本的に他人に土地を運用してもらうもので、信託会社や不動産会社から事業として成り立つだけの価値があると判断される必要があります。

まとめ

今、現状は不動産の過渡期に入って来ています。では、何故そうなったのか?
人口減少に伴う、世帯数の減少によるものです。ちょっと前までは人口減少していても世帯数が増えていたのですが、いよいよ世帯数は減少に転じ始めました。では、どうすれば良いのか?
自分が所有している土地(立地)をしっかり見極め、その土地にあった活用がとても大事となります。
お金を集めるのが難しい時代に入りました。今までの常識が通用しなくなったこの時代を賢くやりくりしていきましょう。