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里親支援ミニコラム「里親家庭におじゃまします!」第2回

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里親制度ってなに?どんな生活をしているの?
耳にすることはあるけれど、実はよく知らない里親制度。
それなら、里親さんに直接聞いてみよう!ということで、里親さんに直撃インタビュー!
里親になったきっかけや子どもとの生活の様子など、いろいろうかがいました。


◆里親制度についてのページはこちら
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◆偶数月は「さとおやミニ講座」開催しています
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第2回目は、養子縁組里親の田中さん(仮名)です。現在、預かった子どもと特別養子縁組をして、戸籍上も親子として生活しています。
*養子縁組里親…養子縁組することを前提に子どもを預かる里親のこと。詳しくは里親制度のページをごらんください

 【連載更新中♪】
平成30年度新連載「里親家庭におじゃまします!~里親を支える人たち編~」はこちら

【平成29年度の里親インタビューはこちら↓】(注:コラム内のお名前はすべて仮名です)
*第1回(小学生の女の子を預かる佐藤さん)へのインタビューはこちら
*第3回(定期的に親と会っている姉妹を預かる加藤さん)へのインタビューはこちら
*第4回(ベテランの養育里親の山田さん)へのインタビューはこちら
*第5回(中高生を多く預かった養育里親の鈴木さん)へのインタビューはこちら
*第6回(特別養子縁組をした息子がもうすぐ成人を迎える高橋さん)へのインタビューはこちら 

「子育てをしたい」と強く思ったんです

———-里親になったきっかけはなんですか?

私の場合は不妊治療をしても子どもができなかったのがきっかけです。ずっと子どもに関わる仕事をしてきたので、子育てをしたい、子どもを育てることは私の人生から外せないと思ったので、夫婦でよく話し合いました。その後、夫の「一度預かった子どもを手放すことになるのはつらい」という思いを尊重し、養子縁組里親の登録をしました。

———-登録をしてから子どもを預かるまではどんな気持ちでしたか?

今長女として育てている子を預かるまでに1年ほどかかりました。その間、本当に子どもを受け止められるのか?預かるまでにその子どもが背負ってきた背景を受け止められるのかだけではなく、例えば思春期に荒れる可能性もあり、そのあたりのことも含めて受けとめられるのか?ということを夫婦で真剣に考えました。

乳児院の職員さんが、私たちの写真を貼ってくれていました

———-子どもと初めて会った時のエピソードを聞かせてもらえますか?

その頃、子どもは乳児院にいたのですが、私たちが行く前に、職員さんが私たちの写真を壁に貼っておいてくれました。2歳くらいだったのでそこまで理解はしていなかったと思いますが、写真をじっと見ていたそうです。私たちが行くと、私たちと写真を一生懸命見比べていました。

夫は仕事があったので毎日乳児院に行くことができず、慣れるまでにはずいぶん時間がかかったようです。家で一緒に過ごすようになってからは、お互いだいぶ慣れてきたようです。

———-家に来て最初の様子を教えてください

「まず受け入れるところから始めよう」と思っていました。なので、好きなお菓子が食べたかったらたくさん用意したり、なにかやりたいことがあったらすべてさせていました。周りから見たら甘やかしているように見えたかもしれません。私の実の母とも、そこで衝突することがありました。けれど、まずは精神的に満たしてあげたいという思いの方が強かったので、とにかく最初はやりたいことをやりたいだけさせていました。 

子どもなりに受けとめてほしい合図だったのかな…

———-そのあと大変なことはありましたか?

それはもう、たくさんありました!

本やドラマで言われるような、引き出しの中身を全部出したり、床にジュースをこぼしたりするような「試し行動」はありませんでしたが、振り返ってみると、抱っこしてもわざと不安定になるような姿勢をとっていることがありました。どんな状態でも抱っこしてね、というような感じだったので、子どもなりに受け止めてほしい合図だったのかなと、今は思います。

 また、たまに泣き出すと手の付けようがないこともありました。ただ、泣きながらチラチラとこちらの様子をうかがっていることが分かってきたので、とりあえず泣き止むまで待つことにしました。しばらくすると、「ママだっこ~」と寄ってくるので、そのときにしっかりとぎゅっと受け止めてあげました。

申立てから縁組成立まで、2年弱かかりました。

———-特別養子縁組の申立てをして、戸籍上も長女、と記載されることになりましたが、何か御苦労はありましたか?

まず、審判に時間がかかりましたね。私たちの場合は、全部で2年弱、申立てをしてから1年くらいかかったかと思います(注)。裁判所からも念入りな調査が来るので、結構長いな、と思っていました。その分、成立したときにはやっと成立した!と思いましたが、周りに言ってもよく分からなかったようで、申立てをしている間の苦労はあまりわかってもらえなかったですね(笑)

(注)特別養子縁組を申立てするには、まず6か月以上子どもと生活していること(試験養育期間)が必要です。その期間を経た後、家庭裁判所の調査官が実親・里親(養親)双方に調査を行います。子どもを預かってから特別養子縁組が成立するまでの期間にすると、短くても10か月ほど、長い時は数年かかります。

子どもが来て、全部が良かったです…

———-楽しかったエピソードなど教えていただけますか?

(しばらく迷った後)全部よかったかなぁ…(笑)

もちろん、可愛くないと思うときもあるし、親子だからこそ許せないなと思うことはあるけれども、子ども関係の仕事をしている時には感じなかった距離感で、子どもと過ごすことができてとても良かったと思っています。 

———-里親を考えている人に何かアドバイスをお願いします!

自分が子どものことをどう考えているか、どういう生活を送りたいのかというのをまず見つめることが大切かなと思います。最初にも言いましたが、私は「子どもを育てたい」と強く思ったから里親登録をし、長女と縁組をしました。

子どもはすでに生まれてここにいる。産みの親が育てることができなかったら、誰かがその子どもを受け止める必要があります。血がつながっている、いないではなく、その子を受け止めることができるかどうか、ということが大事だと思います。
 


日常の話をたくさんしていただき、にぎやかな家での様子が目に浮かぶようでした。

次回は9月掲載の予定です。

 

 ◇偶数月は「さとおやミニ講座」開催中◇(該当ページにリンクします)
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