日本の不動産業界はアメリカから比べると10~15年ほどシステムが遅れていると以前新聞かニュースで見た記憶があります。
どういったところが遅れているのだろう?とふと疑問に思ったので、色々調べてみました。
資格がないとそもそも職業として成り立たない?!
アメリカでは、不動産業というのは弁護士や医師などと同じ程度のステータスを持ち、非常に厳格な世界となっています。そもそも、資格がなければ不動産業を営むことも、販売することもできません。
日本でいう不動産会社をブローカーといい、営業マンをセールスパーソンと呼ぶようです。
このブローカーとセールスパーソンは、日本の宅建士にあたります。なので、国家資格がなければ労働することが出来ません。ちなみにセールスパーソンはブローカーの元でしか働くことが出来ません。
過酷なアメリカのセールスパーソン
アメリカのセールスパーソンはブローカーの元でしか働けません。日本の企業と違って、セールスパーソンはブローカーと所属契約を結びます。日本は基本的に会社員となりますが、アメリカは自営業となっています。
当然お給料の体系も異なり、基本的に成功報酬型(フルコミッション)となります。なかなか生活が厳しいように感じます。
どういう内容かというと、契約成立したらば収入が得られるということ。売れなければ0円。ブローカーとの所属契約もなくなる。非常に厳しい業界です。
その為、不動産業界のステータスが高い位置にあるのです。
日本でも成功報酬型で働いている方もいらっしゃいますが、大半は普通の会社員として所属していることでしょう。
住宅の情報がすべて開示されている
アメリカでは、日本と似たような物件情報のデータベースが存在します。
まず日本のデータベースは不動産会社しか閲覧が出来ません。
逆にアメリカはすべての人が閲覧可能なのです(一部を除く)。
買う側も閲覧可能ですから、その物件に対する情報量たるや莫大です。
物件価格、間取り、外観写真、登記情報や修繕・売買履歴(過去価格データ)、災害リスクや税務情報などが記載されています。
また、ブローカーが知りえた情報は、24時間以内にそのデータベースに登録しないと違反が課せられます。
その違反もかなり重く、ライセンス停止処分まであるようですね。大変です。
買う側はセールスパーソンに物件情報は期待しない
そもそも、日本では売主と買主との間に不動産会社が入り、物件を仲介する役割を果たしています。
上記のように不動産会社しか日本では詳細情報を得ることが出来ませんから、売主も買主も不動産会社に頼るしかありません。
この辺りは、不動産業界よりのシステムだなと思いますので、変わるべきではないかなと私個人は思います。
アメリカでは、物件についてのデータはすべて見えていますから、セールスパーソンに期待することは日本と違って、売主との交渉や目に見えないリスク等をレクチャーしてもらうことです。
前提ですが、日本もアメリカもここは同じで、不動産会社を通じてでしか、ほぼ購入できません。(個人売買はありますが)
もう一つ。アメリカの買う側はブローカーを選びません。セールスパーソンを選びます。(有名なブローカーからセールスパーソンを選択するということは多少あるでしょうが)
そう。これを読んでいる方が、交渉役を指名するのです。そのセールスパーソンの略歴や職歴などを閲覧して決めるようでした(今も同じなんでしょうか??)。「あなたから購入するから」と決まりますの、セールスパーソンはある意味仕事に集中できるでしょう。
日本は真逆ですね。会社を選ぶだけですから。営業マンとしては何とかして、来たお客様を繋ぎとめないととやっきになります。こうなると、「しつこい」「電話が多い」などのイメージにつながるんです。
買主は仲介手数料を払わない
日本ではびっくりな話ですが、本当です。
基本的に売り主側から仲介手数料をもらいます。割合は州によって異なるようですので割愛しますが。
売主側からしてみれば、次に物件を購入する際は仲介手数料が要らないわけですから特段気にならないのでしょう。
高く売りたいから維持費をかける
アメリカの家は古くなってくるとビンテージとなり、価格が高騰してきます(きちんとメンテナンスしていなければなりません。メンテナンスや家の状況を調べる資格や機関もアメリカはしっかりしていますので、自分の家がきちんと資産価値があるのかすぐバレます)。
聞いた話ですが、最初2000万円で購入したあと4000万円で売れたケースもあるそうですよ。
日本は本当に真逆ですね。年数がたてば経つほど減価償却ということで建物の価値はなくなります。(税金も安くなりますが)手放す頃になれば土地だけに価値が出て、建物の取り壊し費用が高くなるような現実・・・。
ビルドアンドスクラップを推奨しているからだとは思います。これが悪いわけではないと思いますが、エコではないでしょう。
アメリカのやり方がすべていいわけではないと思いますが、ここまで日本とアメリカのやり方が違うと、どうなんだろうなぁと考えさせられます。
社会が変わらないとやり方も変えられないかもしれません。
ですが、個人一人一人が意識を変えれば、変わっていくのではないかなと思いますし、そうしていきたいと思います。