現在、一部地域を除く奈良県内に手足口病の警報が発令されています。全国的にも流行がみられており、今後も流行が続くことが予想されます。予防対策を心がけ、感染拡大に注意しましょう。
手足口病とは
手足口病とはウイルスの感染により起こる感染症です。名前の通り、口の中や手足などに2~3mm程度の水泡性の発疹が見られます。子どもを中心に、主に夏に流行します。発熱を伴うこともありますが、高熱が続くことは通常ありません。ほとんどの場合、数日間のうちに治る病気です。ただし、まれに髄膜炎や脳炎等の合併症や重症化を起こす危険性もあるため、経過を注意深く観察しましょう。
感染は飛沫感染(咳やくしゃみなどによって飛び散る飛沫等により感染すること)、接触感染、糞口感染(便の中に排出されたウイルスが口に入って感染すること)が知られています。
乳幼児は原因となるウイルスに感染した経験のない者の割合が高いため、感染した子どもの多くが発病します。そのため、手足口病の感染のほとんどは5歳以下の乳幼児が占めています。しかし、乳幼児に限らず、大人にも感染することがあるため、感染予防に努めましょう。
予防対策について
手足口病に有効なワクチンはなく、発病を予防できる薬もありません。
一般的な感染対策は、接触感染を予防するために手洗いをしっかりと行うことです。手洗いは流水と石けんで十分に行ってください。また、タオルの共用は避けましょう。乳幼児のいるご家庭では、おむつ交換の際には、排泄物を適切に処理した後、必ず手洗いをしてください。
手足口病は複数のウイルスが原因となるため、一度感染して治った後も別ウイルスにより再び感染してしまうことがあります。治った後も比較的長い期間、便のなかにウイルスが排出されることもありますし、ウイルスに感染しても発病しないままウイルスを排出している場合も考えられるため、日頃からの予防対策が必要です。