大体どのあたりの場所で家を買うかを決めたら、そのあたりの相場を知っておいたほうがよいでしょう。不動産は個別性が非常に強い資産であるため、売り出されている価格が妥当なのか、その判断が極めて難しいという特徴があります。特に、仲介物件では、売主と買主の交渉により最終的な売買価格を決めることになります。まずは、不動産価格に関する基本的な考え方と評価手法等を少しでも理解するようにしましょう。
価格の基本的な考え方を理解する
同じ不動産は存在しない
不動産には一つとして同じものが存在しません。同じ地域の土地でも、土地の形、面積、方位、接する道路の状況などによって、価格が大きく変わることがあります。また、同じ棟のマンションでも、階数、間取り、部屋の方位、管理状況などによって価格は変わります。このように、不動産価格の妥当性を判断する場合には、不動産の特徴(これを一般に「個別性」といいます)を踏まえて、物件ごとに検討する必要があります。
取引時点が変われば価格は変わる
不動産市場にも、全体的な相場の動きがあります。たとえ同じ不動産であっても、取引する時期(これを一般的に「取引時点」といいます)が変われば、価格も大きく変わる場合があります。したがって、不動産価格を判断する場合には、市場全体の動向も踏まえて、取引時期に応じて検討する必要があります。
最終的には売主と買主の合意が前提
不動産売買は、スーパーなどで買い物をするように、提示された金額に対して「買うか、買わないか」の二者択一で成立するものではありません。売主と買主が個別に希望条件を調整し、合意したときにはじめて価格が確定します。
このように、不動産価格は個別の「取引」ごとに決まりますので、その価格を客観的なデータだけで完全に検証することはできません。不動産の購入で後悔しないためには、(1)できるだけ多くの情報(専門家からのアドバイスも含みます)を収集して、価格に関する自分なりの検討を十分に行うこと、(2)最終的な取引の相手方と誠実に交渉を重ねることにより、自分自身が納得した上で取引することが重要です。
次回は価格査定についてお伝えしていきたいと思います!